社員インタビュー|「家政婦さんとは思われたくない」訪問介護のプロとして知識と技術を追求し、伝えていきたい

――「世間では介護はたいへんと思われているみたいですが、私はどちらかといえば楽しいかも」そう言って笑顔を見せる名嘉真実さん。大学で福祉を学び、卒業後も福祉一筋で10年を超える福祉のプロだ。ライフデザインの訪問介護を率いるリーダーのひとりである名嘉さんに、福祉の仕事の魅力を聞いた。

子どもの頃から当たり前のように福祉の道を目指していた

――ライフデザインに入社されたのは2023年4月とのことですが、それまでも福祉のお仕事をされていたんですか?

大学で福祉を専攻し、卒業後は東京の有料老人ホームに10年勤めていました。

――大学のときから福祉を勉強されているんですね。なにか福祉を志したきっかけがあるのでしょうか?

身近な親戚に両親が身体障害者のお兄ちゃん、お姉ちゃんがいたんですが、いつも当たり前のように車椅子を押したりトイレに案内したりしていました。それを見て私は「かっこいいな」と思っていたんです。思い返せば、それが福祉を目指したきっかけだったと思います。

ただそれも「今思えば」という感じで、小学校のときから盲導犬のボランティアをしたり、学生時代も児童デイのようなところにボランティアに行ったり、子どものころから当たり前に福祉に関わっていました。

――東京の有料老人ホームではどんなお仕事をしていましたか?

入社当初はいわゆるヘルパーのお仕事で、早番から夜勤までいろんなシフトで利用者の方のケアをしていました。要介護度が自立から要介護までいろんな方がいらっしゃったので、介護の内容も幅広くて。介護技術を含めて新しいことをどんどん身につけてキャリアアップしていくのがとても楽しかったです。

――では10年勤めていても辞めたいと思ったことはなかった?

いえ、2~3年目からはずっと辞めたいと思っていました(笑)キャリアアップするとどうしても業務がどんどん増えていきます。2年目くらいからリーダー職を任されて、そのうち新卒の研修なども担当するようになって、仕事が多くて家に帰れなくなっていきました。最終的に管理者になったんですが、24時間携帯が手放せない生活になりました。

――それで故郷の沖縄に帰ってくることにしたのですか?

直接のきっかけは祖母が亡くなったことです。祖母の葬儀の最中にも電話対応しなければならなくて・・・。知らないおじいちゃんおばあちゃんを看取っているのに、なんで自分の身内のときにちゃんと看取ることもできないんだろうって思いました。まだ祖父がいるので後悔したくないと思って、沖縄に帰ろうと決意しました。

介護の仕事をしながら児童福祉にもチャレンジしたい

――沖縄に帰ってきてからもやはり福祉の仕事を選ばれました。

ほかに興味があることもあるんですけど、しばらくゆっくりして、いざ働こうと思ったときにはやっぱり福祉がいいなと思いました。1年ほど他社の児童デイサービスで働いたんですが、転職しようと思ったときにライフデザインを知って「ここで働きたい」と思いました。

――どんなところがいいと思われたんですか?

ホームページやインスタで見るスタッフの方たちがみんな楽しそうだったところです。介護を長くやってきましたが、児童福祉にも興味があったので最初は児童デイで働きたいと問い合わせました。でも児童の資格は持っていなかったので、そのときは「募集がない」と言われました。

それでも介護も児童もどちらもしていきたいなっていうのが正直な気持ちだったので、だったらいったん介護に戻って働きながら資格を取ろうと思いました。

――それで訪問介護あろはに入社されたんですね。訪問介護は初めてだと思いますが、老人ホームと比べていかがですか?

訪問介護は一対一の時間がすごくいいなと思います。利用者様1人にかけられる時間がしっかりあるので。

――逆に難しいと感じることはありますか?

なかなかスタッフ同士の横のつながりがないところが難しいと感じます。老人ホームではいつもたくさんのスタッフと一緒に働いていましたが、訪問介護ではスタッフ同士が一緒にいる時間が限られているので心細いと感じることがあります。

――東京と沖縄を比べると違いはありますか?

やはり給与水準は違います。あと普通に働いていて入ってくる情報量が違うと感じています。独学で勉強していたところもあるんですけど、何もしていなくても入ってくる情報が多かったです。施設で働いていたのでほかのスタッフさんや看護師さんなど違う職種の人からも、最新の技術などの情報をいただけたりしたというのもあると思います。

――東京の有料老人ホームでは家に帰れないような生活だったとのことでしたが、その点ではライフデザインはいかがですか?

うーん、最近はちょっと残業多いかな。残業したらほかの日に早く帰れるようになってきてはいるので、ずっと働きすぎということはないと思います。

私はサービス提供責任者ですが、仕事の時間の半分くらいは現場に出ています。現場に出るとどうしても管理業務の時間が少なくなってしまって、効率よく仕事ができているとは言えません。会社も調整したり支援してくれているんですが、ヘルパーさんが急に休んだりするとどうしてもヘルプで行かなきゃいけなくなったりして、予定通りには進まないこともあります。

福祉のプロとして、同じ志と技術を持つ仲間と「プロの仕事」を伝えていきたい

――訪問介護ならではの難しさもあると思いますが、これからライフデザインでやっていきたいことはありますか?

自分の知識や経験を活かして、研修などスタッフが勉強する機会を増やすチカラになれたらなと思います。私自身もう1回学び直さないといけないんですけど、スタッフと一緒に考える機会があったら自分のスキルアップにもなるかなと。

――ライフデザインは「福祉のスタンダードを変革する」というビジョンを掲げていますが、名嘉さんにとって「福祉のスタンダードを変革する」とはどんなことでしょうか?

ロボットとは言わないですけど、新しい技術や今とは違うチカラをどんどん取り入れてことかなと思います。

あとは働く人の働き方が変わったら、すごくイメージが変わるのかな。今は利用者様の状況によって時間内に訪問支援を組むのが難しい場合もあって、8時間で勤務が終わらず超過してしまうこともあります。そういう働き方が変わっていくことも福祉のスタンダードの変革かなと思います。

――福祉の仕事にはたいへんなこともあると思いますが、これからも福祉を続けていきたいですか?

続けていきたいです。私は世間が思っているほど介護がたいへんだとは思っていません。訪問介護って、私たちが支援に入ることで利用者様ができる限り自宅での生活を継続できるようになるので、そこにやりがいを感じます。利用者様とのコミュニケーションも楽しいですし。福祉のほかだとリラクゼーションにも興味があるんですが、それも結局福祉につながっているのかなと思います。

――これからの目標を教えてください。

私は介護の仕事を家政婦さんだとは思われたくありません。介護のプロの仕事は家政婦さんとは違うということを、私一人じゃなく、同じ志、プロ意識と技術を持っている人と一緒に伝えていけるようになりたいです。身近な人に伝えるところから始めたいと思います。

福祉に対する強いプロ意識と飽くなき探求心――名嘉さんから伝わってきたのはこの二つだった。学びたい、技術を身につけたい、そしてそれを伝えたい。プロとは「汲めども枯れぬ知の泉」だともいわれるが、名嘉さんはまさにそうなろうと努力し続けている。名嘉さんは、ライフデザイン入社時に志した通り、働きながら保育士の資格を取得した。高齢者介護にとどまらず、児童福祉でも活躍する日が来るに違いない。

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