社員インタビュー|「私の経験を伝えて障がい者に勇気を持ってもらえたら」障がい者が支援者になって

——— 株式会社ライフデザイン 執行役員の前山一行さんは、障がい者だ。自身が支援される側で福祉のチカラを感じたことが、支援する側として福祉の仕事に携わる現在につながっている。「障がいを負ったからこそわかる寄り添い方がある」と語る前山さんに、障がいに苦しんだ時期から「やりたいことと仕事が一致していて楽しい」という現在までを振り返ってもらった。

ブラック企業の激務によるストレスで2年間記憶を失った

――前山さんは障がい者だと伺いました。

今から20年近く前になりますが、東京で、今でいうブラック企業で働いていました。飲食店だったんですが、激務でお店に泊まり込みで家に帰れないのが当たり前でした。当時は若かったのもあってきついとも思わず働いていましたが、気づかないうちに自分の心身のキャパを超えてしまっていたようで、あるとき記憶を失ってしまいました。

――記憶ですか?

解離性健忘症というめずらしい障がいで、心的外傷やストレスによって記憶障害が起こり、自分のことが思い出せなくなってしまうものです。私は家もわからなくなってしまっていたので、2年間家に帰ることができませんでした。実家の家族からすると私は行方不明で、捜索願を出して探してくれていました。文字も書けないし、ポケットに煙草が入っているのに煙草の吸い方がわからない。それが当時の状況でした。

――そこからどのように回復していったのですか?

最初は病院に通い、その後は福祉の支援を受けてリハビリを重ねました。ある程度リカバリーしてからは障がい者に対して職場体験を実施したり、障がい者向けのセミナーを実施してきました。色々な人にお世話になってだんだんと安定してきて5~6年かけて自立できるようになりました。今、福祉の仕事をしているのは、そのときにたくさんお世話になった福祉に恩返しをしたいという気持ちがあります。

ゆったりとした沖縄で福祉に恩返しがしたい

――元気になってから沖縄に引っ越してこられたんですね。どうして沖縄だったんでしょう?

自分の生真面目な性格を考えると東京だとどうしても仕事をやり過ぎてしまうと思い、なんとなくゆったりしたイメージがある沖縄に引っ越そうと。ここからはセカンドライフだと思っていました。沖縄には旅行でも行ったことがなかったんですが、家だけ決めて引っ越してきました。

――ライフデザインには当初アルバイトとして入社されたそうですね。

自分に負荷をかけてまで仕事をしたくなかったので、最初はバイトで入りました。児童デイサービスまはろという障がい児の療育をする事業所に無資格の指導員として入ったのが最初です。半年くらいで会社から声をかけていただいて正社員になりました。上司や仲間から評価していただいたのが単純に嬉しくて、また正社員になればやれることの幅も広がると思って決めました。

――初めての福祉の仕事はいかがでしたか?

子どもは好きだったので楽しいんじゃないかというイメージは持っていましたが、やはり普通のお子様とちょっと違うところもあるので戸惑いはありました。ノウハウも経験もなかったのでかなり苦労しましたが、ライフデザインはすごく風通しがいいフラットな会社で、そういう悩みにも周囲が積極的に配慮してくださいました。

――実際に働いてみて、障がい者として感じることはありますか?

やはり自分が障がいを追って間もない頃、安定していない時期に重なる部分がすごくありました。障がいを負ったからこそわかる寄り添い方があると気づきましたが、私はあくまでも支援者なので利用者様の心の奥深くまで入り込んでしまうとそれはまた違うので、ある程度一線引いていくようには意識しています。
あと私は、自分が今これだけ輝いているよというのを見せたい。私の経験を伝えて、障がい者に勇気を持ってもらえたらと思っています。

ライフデザインのサービスをもっと広げて今までの福祉の概念を覆したい

――現在は執行役員として管理業務が増えているのではないかと思います。

店舗数が増えているのでそのバックオフィス業務、新規事業所の起ち上げ業務、外部の関連業者との折衝や各事業所を巡回して職員の対応などをしています。やはり支援の現場に出ると利用者様に喜んでもらえる、リアクションがダイレクトに伝わってくるので、どちらかといえば管理業務より現場業務の方が好きです。ただ、自分たちが提供しているサービスにすごく自信があるので、管理職としてこれをもっと広げていきたいと思っています。

――ゆったり働きたくて沖縄に来られたと思いますが、その点はいかがですか?

東京と沖縄の環境は全然違います。まず沖縄は気候的に圧倒的に過ごしやすい。そして沖縄の人は温厚でゆったりした人が多いです。自分の真面目な性格は変わっていないのでライフデザインにいてもつい働きすぎることがありますが、沖縄のゆったりとした仕事のやり方の中に意識して溶け込むようにしています。

――やっぱり仕事にのめり込んでしまうことはあるんですね。

自分のやりたいことと仕事がかみ合っている状態というんでしょうか、自分のやりたいことをやらせていただける環境だし、私がやっていることを会社がしっかり評価してくださってもいます。会社を大きくしたり、職場環境を良くしたりという前向きな仕事ばかりなのでとにかく楽しいです。だからついつい仕事ばかりしてしまうこともありますが、忙しいというより充実しているという感じです。

――これからの夢や目標はありますか?

会社がどんどん大きくなっているので、自分の後継者を育成したいです。次々と事業所も増え、新規事業もスタートしているのでそこに力を入れたいですね。
ライフデザインは「福祉のスタンダードを変革する」というビジョンを掲げていますが、今まで福祉の汚い・危険といった概念を覆していきたい。どんどん新しいことに挑戦していきたいですし、職員に対して常にワクワクできるような環境を提供していきたいなと思います。

――前山さんは無資格でライフデザインに入社後、児童指導員、強度行動障害支援者、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者など次々と福祉事業に欠かせない資格を取得していった。その理由を「自分のスキルを上げたくて」と語るが、福祉に対して恩返しがしたい、貢献したいという強い意思が伝わってくる。

「福祉のスタンダードを変革する」というビジョンのもと地域に求められる事業を次々と展開しているライフデザインなら、前山さんの福祉への情熱を存分に活かせるに違いない。前山さんの姿を見て勇気づけられる障害者は、きっとたくさんいる。

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